坂道いっぱい~成人先天性心疾患~

成人先天性心疾患者です。治ってたと思ったのに、子育てしながら2度目の手術受けました。

検査結果と保育園~2018年6月②~

検査終了

心臓カテーテル検査が終了し、止血をされ病室へ。

エアーのついた止血バンドをして、手首は装具で固定され動かせないように。

止血の様子を見て数時間ごとに空気を抜いていく。

透明な止血バンドなので、傷口が見える。と言ってもほんの小さな針の痕。エアーがパンパンなので少し痛いがそんなに苦ではない。

 

部屋で少し休んでいると、夫が見舞いに来た。そしてほどなくしてT先生も登場。

たぶん手術になるだろうと言うことは、主治医I先生からもT先生からも言われていたので、だいぶ覚悟はできていた。

しかし、検査結果は思ったより良くなかった。

 

「今まで何もなかったのが幸運と思うほど。突然何かあってもおかしくない状態。手術が必要だし、それまでは自宅で絶対に安静にしていて!自転車も重いものを持つのも禁止!」

優しくも、シリアスに言われてしまった。

「詳しくは主治医のI先生と後程説明に来ますね」とT先生は立ち去ったが・・・

 

体重10キロの動き回る元気いっぱい2歳児を抱えて日々坂道を自転車で爆走してるのですが(-_-;)

それを禁止とは、、、私と息子はどうすれば?

 

居住地区の保育園

入院手術の話が出てすぐに区役所に保育園入園について相談していた。

区内が数地区に分かれており、居住地区で送迎可能な保育園の空きが1つあった。区役所にその保育園への入園希望を伝え、早々に見学に行っていた。

息子の所在について、少しだけ光が見えたと思っていた。

 

しかし、見学に行くと「実は1枠の空き、埋まってしまったんです。緊急の事案が入って。」

え??どういうこと?なら見学来る前に教えて欲しい。

しかし、区役所からそう言われたわけではないし、少しばかりの希望はあるのでは、なんて、思いつつ、検査入院の日を迎えていたのだ。

 

保育園落ちた

T先生から検査結果を聞いて落ち込んでいるときに、区役所からの連絡があった。

やはり希望していた保育園は枠が埋まってしまい、入れない。地区内で送迎可能な保育園に空きはない。

「枠があると言ってたじゃないですか。検査結果が悪く、自宅保育が難しいんです。どうにかならないでしょうか。」

落ち込みに追い打ちをかけられ、八つ当たりと分かっていながらも、怒りで若干声が震えてしまった。

担当職員は親身に対応してくれ、地区外だが車で送迎可能 で空きがありそうな保育園を3つほど教えてくれた。

「地区外ですし、ご自分で現在の募集等について問い合わせて頂き、決まり次第またご連絡下さい。」

との事だった。

 

そこから、夫と手分けして病室で各保育園に電話で問い合わせ。

空きはあるのか。来月には入園し毎日通わなければならないが、今月の残り半月はどうしたらいいか。夫の勤務時間まるまる預かってくれるところなのか。

聞かなければいけないことはたくさんある。

電話しながら「私、ベットの上で何してるんだろう。心臓危ないって言われた直後なのに、自分の体心配する余裕もない」と、なんだ少し笑えてきた。

 

一つの保育園が「そういう事情でしたら、喜んで協力します」と言ってくれた。

当時一時保育で使っていた保育園も、翌月の入園まで毎日預かってくれることになった。涙が出るほど嬉しかった。

 

検査結果

保育園に問合せ電話をしていると、T先生が主治医I先生と一緒に部屋に来た。

「保育園落ちたんで保育園探してるんです。少し待ってください。」

混乱しすぎてそんなことを言って、先生たちを待たせてしまった。

 

電話が終わり、I先生から検査結果が伝えられた。

CTやカテーテルの画像を見せてもらう。

肺動脈弁付近に筋肉の塊ができているのが、CTの映像ではっきり見えた。これを手術で取り除かなければならない。手術は胸の真ん中を切る正中切開。

3歳の時以来、人生2度目の正中切開手術だ。

手術が2度目ということで、一般より少しだけリスクは高くなるが、成功率は高い手術とのことだ。

僧帽弁の閉鎖不全もみられるが、手術が必要な程度かどうかが難しいところ。追加検査をしてカンファレンスをし、同時に手術するか決める、とのこと。

「胸、ぱっくり切らなきゃだめですかね?」と聞くと、

「今の医療だとカテーテル治療とかは無理な場所ですね」と。そうですよね。

 

「早々に手術を勧めますが、どうしますか?」と聞かれ、

「早いことやっちゃってください」と答える私。

不安な体で過ごすより、バッサリぱっくり切って治して欲しい。

 

先生たちが退室し夫と談笑していると、夕方から担当の若い女性看護師さんが来た。

「検査結果出たんですね」なんて話してたら急に涙が出てきた。

それまで先生たちにも夫にも笑って話して、気持ちもきっぱり決まったと思ってたのに、どんどん涙が溢れてきた。

「大丈夫?急に絶対安静なんて言われたらびっくりしちゃいますよね。手術も不安ですよね。」と背中をさすってもらうと、嗚咽が止まらなく泣き崩れてしまった。

 

少しして落ち着くと「また話したくなったらいつでも呼んでくださいね」と看護師さんが退室すると、夫は少し困惑していた。

私が夫以外に涙を見せたのはこの時が初めてかもしれない。