坂道いっぱい~成人先天性心疾患~

成人先天性心疾患者です。治ってたと思ったのに、子育てしながら2度目の手術受けました。

育て直させてもらってます

「心臓病の子供を守る会」やSNSで、心疾患を持つお子さんの親御さんと知り合うことが増えた。

親御さんと関わらせていただき始めたころは、

「自分のこれまでの経験を伝えることで、少しでも不安を減らせたら」と思っていたけど、実際には自分がもらうことのほうが多いな、と思いました。

 

今強く思うのは、親御さんたちと関わることで、小さかった自分の育て直しをさせてもらっている、という事。

 

「子供がこう言ってるけどどうなのかな」「こういう時どう感じた?」

などの話をしていると、改めて当時の自分の感情をたどることができる。

今まで自分では深く考えなかった場面。

例えば、入院中面会時間を待っていた時、学校の体育の授業を見学していた時、もっと遊びたいのに「やめときなさい」と言われたとき。

自分では日常だと思って流していた感情。

それを、親御さんは「どう感じているんだろう」「どう話したらいいんだろう」と悩んでいる。悩んでくれている。

どれだけ深い愛情だろうか。

自分もそれを受けていたんだな。

少しでも参考になれば、と当時の自分の感情を思い出すことで、

当時やり過ごしてた感情を味わい、解消することができた。

 

特にそれを感じたのは、

「病気の事を理解しているはずなのに『なんでダメなの』と言われる」

という話を聞いたとき。

 

自分もそうだったな。

心臓が悪いから走っちゃダメ、水泳しちゃダメ。

よく分かっていた。でも、兄弟や友人がやっている中、自分だけ禁止されると、

「なんでダメなの!」と言って母を困らせていた^^;

『なんで』という言葉を使っているけど、理由は分かっている。

自分の病気の事も分かっているし、無理してでもやりたいわけではない。

ただただ、分かってほしかったんだ。

「あなたもやりたいよね。できなくて悲しいよね。」と共感してほしかったんだ。

 

それを思い出した時、悲しい気持ち、切ない気持ちもあふれてきたけど、

す~っと何かが晴れた。

30年前の自分を抱きしめて、寂しかったね、と言ってあげられたし、

イヤイヤ期の息子 の事も以前よりちょっと優しく受け止めることができた(と思うw)

 

以前仕事でカウンセリングについてを学んだ時に、アダルトチルドレンについてのワークをした。

(最近スピリチュアル界隈で盛んにアダルトチルドレンの話が出てくるのが解せない、、、が、話がそれてしまうのでそこには触れません^^;)

まさに今、親御さんと関わることで、当時の自分を抱きしめて育て直しさせてもらっているようだ。

本当にありがたい。

 

「辛い思いを思い出させてしまっているんじゃないか」と心配して下さった方もいた。

もう、どれだけ優しいんですか!!

 

自分の経験や気持ちを伝えることで親御さんの不安を少なくすることができれば、という思いは今も全く変わりません。

本当に個人的意見になりますが、先天性心疾患の元病児の一人として、お伝えできることがあれば、と思っています。

なので、聞き辛いことでも「こういう時どうしたの?」「どう思ったの?」と聞いてほしい。辛い思いを思い出す、と言うより、その時の感情を消化させてもらっています。